テーマ: 「SMAの現状と治療研究」・医療相談
講 師: 東京女子医科大学附属遺伝子医療センター 斉藤加代子所長
日 時:2006年4月15日(土)
場 所:東京国際フォーラム
参加者:
1.SMA(広義)各タイプの説明
・ 球脊髄性筋萎縮症
20〜40台の主として男性に発症
アンドロゲン受容体(Xq11.2-12エクソン1)の変性。CAG反復配列が長くなる
X染色体劣性遺伝子
SMAの症状に、球症状(嚥下、呼吸)を合併
治療:リハ、装具
誤嚥予防(唾液の誤嚥はまだ良いが、蛋白質系の誤嚥は厄介)
:食事はサラサラよりトロミのある方が良い。
商品名トロメリンは味が変わらずトロミがつくので好評らしい
ホルモン治療の検討
:酢酸リュープロレリンなど、指定病院で治験が始まる。効果は個人差ある様子。
・ SMA4型
18歳以降に筋力低下の発症(35歳以降が多い)
小児期発症SMAの軽症型、もしくは脊髄前核細胞変性の新しいタイプ?(研究課題)
・ SMA1〜3型
所見:筋力低下、脱神経、検査(遺伝子5q13.1、筋電図、筋生検)
症状:軽症→重度=一般的に足→手→呼吸
遺伝子:5q13.1 テロメア側コピーSMN遺伝子exon7、8を調べる
遺伝子検査では見つからない場合もある
2.SMA治療について
・ 治療戦略
病因・病態の解明
→臨床の評価
→理学療法、呼吸管理による体調維持
→病因解明により創薬、薬の開発、再生医療、神経幹細胞の移植など
・ 遺伝子変換されている場合もある(SMN1がSMN2の配列に)
→それにより症状の差(1型から3型)になると見られる
→意識的に遺伝子変換を進め、症状の改善が出来ないか
欠損したSMN1をSMN2に置き換え、SMN蛋白量を少しでも増やす
・ 治療法の候補
SMN2に作用してSMN蛋白の産生を増加(VPAなど)
SMN蛋白質の欠損を代償
代替経路を通して運動神経の活性化の改善
神経変性の抑制
筋肉増強(クレアチンなど)
神経伝達物質(TRHなど) etc.
・ VPA(バルプロ酸ナトリウム)治療研究について
2003年培養試験(USA)→2006年治験(ドイツ)まで
確立は低いが、効果の確認された例がある
方法のしっかりした評価データが取れつつある
国内ではまだ消極的な取り組み、海外が先行
・ ES細胞の作成について
倫理問題有り、研究目的使用には認められている
将来の細胞移植について、拒絶反応を防ぐために治療者の体細胞を利用できる
ES細胞が癌細胞になる、という人もいる
・ 再生医療について
東京女子医大でも胎盤から筋肉を再生する研究を行っている
道のりは長いが、着実に前進している
3.遺伝カウンセリングについて
遺伝、心理両面での家族、本人に対するカウンセリングを行う
東京女子医大では斉藤先生がセンター長として、また浦野先生が心理面をご担当
ホームページ:http://www.twmu.ac.jp/IMG/
以上