1999年11月27日
東京女子医大 斉藤先生、宍倉先生
SMA | ALS | |
遺伝性 | 常染色体性劣性遺伝 | 一部は常染色体性優性遺伝(その他は孤発例) |
病変部位 | 主に脊髄前角細胞、下位ニューロンへ影響へも影響 | 脊髄側索下位だけでなく上位ニューロンへも影響 |
腱反射 | 弱い | 病初期に亢進(過度に反射) |
発症時期 | 0歳から成人まで | 早くても10代以降 |
SMAでも脊髄側索、脊髄後索(知覚に影響)に病変があることもある。 |
薬品名 | 効果 |
リルテック | ALSの治療薬。細胞レベルでグルタミン酸を抑制する。SMAへの効果があるかは確認されておらず、海外で使用例あるがその結果は報告されていない。日本ではSMAの診断では薬を出せない。SMAが進行中の場合はグルタミン酸が細胞レベルで増加していて、影響があるかもしれないので効果の可能性はある。進行が止まっている場合はグルタミン酸の過剰は考えられず、リルテックの効果はないと思われる。 |
ガバペンチン | 基本的にリルテックと同じ。海外で検討されているが、まだ結果は報告が出ていない。 |
エパデール | 動脈硬化の薬。 |
クレアチン | 筋肉構成成分の一種。アメリカ大リーグのマグワイヤ選手が服用していることで有名。東京女子医大ではミトコンドリア脳筋症で治療効果判定中。現在のところ効果が見られており副作用もあまりない。SMAについては実施するか検討中。要望があれば前向きに考えるが、大学の倫理委員会を通さなくてはいけない。行うとすれば一週間程度入院しながら効果と副作用を確認後、外来で検討する。効果の評価方法等、検討課題あり。 |
TRH | 神経伝達物質。TSH(甲状腺刺激ホルモン)を脳内で遊離させるホルモン。脊髄小脳変性症への効果は実証されていて保険適応がある。SMAについて東京女子医大でも数件治療をした経験がある。注射を使うことが難点。国内製薬メーカーから飲み薬がでるとの話あり待っているが、遅れている様子。 |