難病のこども支援映像プロジェクト
『SMA患者の呼吸ケア〜気管切開を選ぶ前にできること〜』のご案内
SMA患者のうち、特に生命予後や日常生活直結する呼吸ケアに関して焦点を当て、何がその人に合った呼吸管理なのかを考える上で、選択肢があることを紹介させていただくために企画・作成されたのがこの映像です。
参考資料 ●映像プロジェクト「SMA患者の呼吸ケア」の企画内容について
●『SMA患者の呼吸ケア〜気管切開前にできること〜』DVDの推薦
難病のこども支援映像プロジェクト 『SMA患者の呼吸ケア〜気管切開を選ぶ前にできること〜』DVDを、ご希望の会員の皆さんにはお配りしています。送料は自己負担となります。DVDをご希望の方は事務局までお申し込みください。
★ただ今DVDの在庫を切らしております。お申し込みいただきましたかたより、準備でき次第折り返しご連絡いたします。
大変ご迷惑をおかけして申し訳ありませんがご了承ください。
その他、DVDに関するお問い合わせ等は事務局までお願い致します。
お問合せ先:事務局
●映像プロジェクト『SMA患者の呼吸ケア』の企画内容について
小手 彰太 (本部副会長、DVD映像「SMA患者の呼吸ケア」担当)
2008年 3月
SMA家族の会は、NPO法人「難病の子ども支援全国ネットワーク」の主催する映像プロジェクト「フレンズ」に選考され、2008年3月、鞄d通テックの技術協力を得て、『SMA患者の呼吸ケア〜気管切開を選ぶ前にできること〜』を制作させていただきました。
今回、SMA患者のうち、特に生命予後や日常生活に直結する、呼吸ケアに関して焦点を当て、何がその人に合った呼吸管理なのかを考える上で、選択肢があることを紹介させていただきました。特に呼吸状態の悪化によって人工呼吸器管理になる場合、患者家族や患者の情報の乏しさや、他の方法を提示できないこと、地域の機関病院の方針によって気管切開による人工呼吸管理になるケースが見られます。
そのような中、もう一つの選択肢として非侵襲的な人工呼吸管理を実際に使用されている患者さんや、専門家の意見を通じて紹介させていただいております。
また、巻末に自宅でできる呼吸リハビリテーションも併せて載せていますので、日常の忙しい中で、少しでも呼吸ケアを取り入れていただければと考えております。
このDVD映像は、前回作成のDVD映像『自立するための電動車いす』と同様に会員の皆さんに使っていただくために作成したのもです。
(1)現在は特に呼吸器を必要としない会員の皆さんに、もしも人工呼吸器を装着しなければいけない状態であると診断された場合でも、
他の選択肢が存在するという情報提供として
(2)医師に対しての情報提示資料として
(3)自宅での呼吸リハビリテーションの How to として
最後になりましたが、この映像を作成していく段階で、多くの方々から取材をさせていただきました。ご協力を頂いたすべての方々に感謝申し上げます。シナリオから撮影、編集まで熱意を持って制作を継続していただきました鞄d通テックの皆様、医療の現場より監修していただきました国立病院機構 八雲病院小児科 石川悠加先生には大変お世話になりました。この場をお借りしてお礼申し上げます。
なお、このDVD映像を入手されたい方は、SMA家族の会 事務局までご連絡ください。お待ちしております。
●『SMA患者の呼吸ケア〜気管切開を選ぶ前にできること〜』DVDの推薦
石川 悠加 (国立病院機構 八雲病院 小児科医長)
○NIPPVとは・・・
NIPPVは、非侵襲的陽圧換気療法(noninvasive positive pressureventilation)で、気管切開や気管内挿管をしないで、鼻マスクや鼻プラグ、口鼻マスク、マウスピースなどと人工呼吸器をつないで行う方法です。略語は「NIV」「NPPV」「NIPPV」などで、世界でも統一されていません。
2000年前半には「ヨーロッパ呼吸学会」では、あらゆる呼吸不全に対して、ICUから在宅まで「NPPV」が人工呼吸の主流であると報告されました。(Eur Resp J.2003)。
米国でも、神経筋疾患の急性呼吸不全から慢性呼吸不全まで、人工呼吸管理のファーストチョイスであると報告されました(Muscle Nerve 2002)。
またEUや米国では、SMAなど小児神経筋疾患の「呼吸切開や窒息を避ける呼吸ケアの推奨」として、「NIPPV」や徒手やカフアシストによる排痰介助が勧められています。このようなことを盛り込んだ「SMAのスタンダード・ケア」も公表されました(Child Neurology 22:1027-1049,2007)。
○選択肢の拡大へ向けて・・・
このような中、日本でも、「自力で呼吸ができない=気管切開をしないと生きられない」、「痰が出せない=気管切開をしないと窒息してしまう」という固定概念を変えることが必要です。「呼吸ができなくても、NIPPVを選択して生きられる」可能性や、「痰が出せなくても、徒手やカフアシストによる咳介助」を活用できることを知っていただきたいのです。
そのために、このDVD映像を多くの関係者の方々にご覧いただきたいと思います。
ここで、非侵襲的呼吸療法の選択肢を安全に安心にご活用できる医療生活教育環境を充実するために、あわせて「看護学雑誌スペシャル『NPPVケア』(医学書院2008年8月下旬出版予定)」もご参考にしてください。
ヨーロッパでは近年、「小児神経筋疾患の非侵襲的呼吸ケア」カンファレンスが盛んに行われています。その中の一つで、2002年ミラノでは、イタリアの「SMA患者家族の会」の代表でSMA1型の父親(ローマの銀行に勤務)が、「医学的なことに素人の私ですが、私たちは自分の息子に気管切開はしたくないのです。しかし、それはそんなに簡単ではないということなので、このセミナーを企画しました。皆様のご理解と協力を求め、NPPVを活用できるように、関係者をサポートしていきたいのです。」と話しておられました。
日本だけでなく世界では、気管切開ではなく「NIPPV」でコストとマンパワーを軽減して、より多くの人々に人工呼吸を選択しての生活をし続けてもらえるようにしようとしています。そのためには「NIPPV」を選択できるケアシステムを充実する努力がされています。
このような動きを把握した上で、日本でも自分たちの事情にあった環境づくりが望まれます。
そのために、このDVD映像『SMA患者の呼吸ケア〜気管切開を選択する前にできること〜』は、今、日本にとって重要な「カンフル剤」だと思います。
難病のこども支援映像プロジェクト 『SMA患者の呼吸ケア〜気管切開を選ぶ前にできること〜』DVDを、ご希望の会員の皆さんにはお配りしています。送料は自己負担となります。
DVDをご希望の方は事務局までお申し込みください。
その他、DVDに関するお問い合わせ等は事務局までお願い致します。
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