〜SMA患者・家族の声〜
                                                                                


          ●栃木県 会員家族より  (2型  3歳)

          私の息子は現在3歳ですがSMA2型で、病院とは切っても切れない生活を送っています。(週に1度以上は通っています。)
          今まではリハビリと診察で1ヶ月に約1万円ほどの立て替えで済んでいたのですが、肺炎から無気肺を起こしてしまい夜間呼吸
          器使用となり負担が一気に増えて、1ヶ月約4万円強となってしまいました。先日は10日間入院もしたので2月分は13万円強
          でした。
          立て替えなのでいつかは戻ってくるのですが、早くても2ヶ月後。遅ければ半年(高額医療費になると手続きが2ケ所になり、その
          上時間がかかる)はかかってしまいます。家計にはかなりの負担です。 
          手続きに出かけないといけないのも身体の不自由な子どもを連れて行くのはかなり負担があります。
          (子どもを置いてはいけないし、預ける先の確保も大変です)
          特定疾患に認定して頂けたらそんな負担が一気に解消されるのです。
          病気の子どもを抱え、日々介護している者には、それでなくても色々な負担が強いられているのです。
          どうか少しでも負担が減るように、認定して頂ける事を強く要望いたします。


          ●広島県 会員家族より  (2型 大学生 電動車いす使用)

           ・SMAに対する理解と認識について
             以前、車いすを手動式から電動式に乗り換える際、ドクターに「電動式にするなら介助用ブレーキなどの手動機能は不必要」と
             言われた。SMAは特に個々で症状も違い、残存機能を疲れない程度に上手く使いながら体力の維持に努めることが重要であ
             るのに、個人の体にあった車いすの作成を無視されているように思えた。ドクターですらSMAという病気に対する理解と認識が
             少ないのが現状である。
             また、全国的に見てもSMA自体を知っているドクターは少ない。研究対象となり、SMAに関する情報が全国の医療機関に
            広がることが必要である。
(転勤の際には、専門医を探すのに苦労します)

           ・経済的負担について
             現在、大学通学用に電動車いすを注文しているが、総額140万円程度かかり自己負担金額は80万円にもおよぶ。
             当たり前の生活環境を整えるため福祉用具や機能的改造車両(400万円相当)も購入予定のため共働きで頑張ってい
             るが、きょうだい(高校生と幼児)もいることなどから、生活は体力的にも経済的にも負担が大きい。

           ・移動支援について
             SMAは移動の手段さえあれば多々の社会参加が可能であり能力も引き伸ばせるが、通学(通勤)で体力的に無理をさせると
             体への負担も大きいので、一時期移動支援を頼んでいたが、昨年10月の自立支援法改正で月額負担金が5〜6万円
             ものぼり、負担が増えたので現在は使用を控えている。
             その為、大学通学やアルバイト勤務、電動サッカーサークル参加などの移動の際は、保護者の送迎が必要となり、共働きで
             他のきょうだい(幼児)をかかえて保護者が移動介助をするということは容易ではない。

           ・医療負担について
             現在、医療費の自己負担額は3割負担であり、昨年春よりリハビリにかかる費用が増えた。
             機能維持に必要なリハビリや医療を受けるためには、費用と時間が必要だが、共働きで兄弟の教育費も必要な現状では、行き
             届いた対応は難しい。
             風邪をこじらせただけで呼吸機能に影響を及ぼす可能性のある病気なので、その場合の治療費も不安である。
             せめて医療費の免除ぐらいしてほしい。


           ●兵庫県、非会員より (事務局への投稿メール)


           20才になる息子がウエル ドニッヒホフマン病です。
           先日、国会の代表質問で民主党の議員さんが、SMAの特定疾患認定について発言されているのを聞きました。息子は生後5ヶ月から
           人工呼吸器をつけており、現在、在宅14年にな ります。
            医療費については、県の障害者医療助成制度を使っているため、今は外来で月に 1000円まで、入院で2000円までの負担です。
            しかし、養護学校を卒業してから、受け入れ先が少ないため、訪問看護を週に3回受 けていますが、毎月の訪問看護費用が平均
           で3万5〜6千円もかかります。それに加え、障害者自立支援法でヘルパーさんや、ショートステイの1割負担もしな ければな
          らなくなり、毎月6万円
ほども負担しなければならなくなりました。
            また、呼吸器に必要な、外部バッテリーや、アンビューバッグ、パルスオキシメーター のセンサーなどの自己負担も大きく、大変な
           経済的負担になっています。 一日も早く、公費負担の特定疾患に認定してもらいたいです。
           こうして、声を届けることしかできませんがよろしくお願いします。


           ●在住県不明 非会員より  (事務局への投稿メール)

            はじめまして
            主人がSMAで現在休職中です。この2月から給料が無くなります。
            この2年ほどリハビリ病院へ通っています。月に2万円かかります。
            特定疾患指定になることを願っています。


           ●埼玉県 会員家族より   (1型)

           スマットおむつひとつにしても、一昨年の国の通達により援助の減額の連絡が有りました。「国の通達?」にしては地方自冶体どころ
           か、隣接している市町村の足並みが揃っていないことで、「異議申し立て」をし、難を逃れましたが、昨年は押し切られました。
           補助は月あたり半額になったうえ、子どもの成長と共に使用するおむつも大きなサイズになったため、単価も高くなり、自己負担が
           増えました。

           「重度障害医療費助成」にしても、いつ財政難を理由に減額になるかわかりません。
           特定疾患に認定されれば、医療費の負担の減額だけではなく、「在宅人口呼吸器使用特定疾患患者訪問看護治療研究」の対
          象になり、年間260時間(診療報酬以外)取得出来ます。


           これまでは市の判断で支給されていた日常生活用具が、昨年10月より、何点か削除になり、自冶体(県)の補装具に組み込まれて
           いました。例えば、意思伝達装置等高額な交付金が必要なものなど・・・

           各地方自冶体レベルでも、福祉予算の見直し(特に補装具の見直し)を検討していると聞きました。

           本来あるべき姿として「SMA」を特定疾患(国が指定している45疾患)に指定してもらわなければなりません。


           ●広島県 会員家族より  (1型 3歳)

            生後1ヶ月発症。生後2ヶ月で「SMA1型」と診断。 5ヶ月まで、自宅より外来通院。5ヶ月過ぎから1年以上の入院。
            その後、在宅で呼吸管理をしながら療養中。訪問看護、訪問リハ、ヘルパー、重度児デイサービスを利用。
            __________________________________________________________
 
           ・医療費負担について
             現在は乳児医療の対象なので、医療費はかかっていない。 しかし、在宅医療介護に必要な消毒液、手袋、オムツなどは自己
             負担である。 なかでも、呼吸器を管理しているサーチレーションモニターのセンサーも自己負担であるが、1個5000円のものを
             箱単位(20個)でしか販売していないため10万円もの消耗品を一度に買わなければならないのは現実的ではない。
             (在宅での呼吸管理が必要なケースが少ないため、業者の対応が間に合っていない現状もあるかもしれません。)

             6歳を過ぎると重度医療の対象となるが、行政の財政難などを考えると、3年先にどの程度の補助が受けられるかは不安で
             ある。万が一、医療費が3割負担になったら、このままでは生活できないし、母親が働きに出ることも不可能なので、生活が心
             配である。
 
           ・移動支援について
             保育園にかよう兄がいるが、呼吸管理が必要なSMA児がいるので 母親は外出できず、兄の保育園への送り迎えに困っている。
             障害者本人でないため、移動支援もなく、現状では、同市内に住んでいる実家の親に車で送迎してもらっているが、そういう身内
             がいない場合はどうしたらいいのか?障害者本人のみならず、障害者をかかえる家族の生活を支える柔軟な支援というものは
             出来ないものか・・・。
 
           ・日常生活用具について
             難病患者の日常生活用具支援事業というのがあるが、これは国が推進している事業らしく、実施は市町村単位らしいので
             すべての市町村で行われていないかもしれない。
             この事業に該当すると、年齢制限なしで日常生活用具を支給してもらうことができる。
             だが、この難病の項目に「脊髄性進行性筋萎縮症」と「球脊髄性筋萎縮症」はあるがSMA「脊髄性筋萎縮症」はない。
             病名は違えど症状はほぼ同じなので、SMA「脊髄性筋萎縮症」も 難病の項目に入れてほしい。
             所得の制限があるのと、普通の日常生活用具より自己負担は高いが、支援を受けることが出来れば、生活は助かる。


          ●大分県 会員家族より

           昨年10月以降、障害者医療の対象から外れ、3割の自己負担になりました。リハビリは月8回受診、1回に付き1200円程度
          (月額約1万円)
。年2回、脊椎や骨盤のX線検査や診察があり1回に付き3000〜4000円ほどかかります。昨年、肺炎で
           2週間入院した際は、10月以前だったので支払いはありませんでしたが、これからは通常患者さんと同様に3割の自己負担
           費用がかかるので、約12万円の支払いになるようです。
           肺炎などで入院する機会は、残念なたら今後増加すると思われますから、経済的負担が心配です。


          ●宮崎県 会員家族より

           リハビリ、定期診察、風邪などの小児診察などを含めて自己負担額は1万円〜3万円ですが、重度心身障害者医療費の補助を
           受けているので、2ヵ月後くらいに付き総額より1000円を差し引いた額が戻ってきています。
           特に体調を崩さなければリハビリなどだけで1万円台ですが、一度体調を崩すと3万円は軽く越えます。窓口で、一度立て替えて
           支払わないといけないので、3万円くらいかかる時はつらいです。

           
*重度障害者医療助成制度は国からの補助がないため、自治体によっては、財政難を理由に対象者の重点化や定率負担
           への移行などが進んできています。


          ●奈良県 会員家族より

          リハビリ、定期診察、NIPPV使用料などで月当たり約8万円の立替払いを行っている。
          高額医療となる場合は立替期間が4ヶ月を超える場合が多く返金については、県内医療機関の場合は窓口支払いだけで済むが、
          専門性の高い県外の医療機関を受診する場合は、地元役場で申請をする必要がある。
          本人の体調が優れない時や天候が悪い時は、本人を連れて申請に出かけることも難しく、かといって一人残して出かけるわけにも
          行かず、申請自体に相当な労力が必要となっている。
          健常児なら町医者でも住むような風邪の場合でも、SMA児は免疫力が弱いため重症化しがちで、救急救命センターへ搬送し診察
          してもらうような事態も、年に1回程度起こる。場合によっては、入院へと移行する場合もあり、費用負担は更に増える。


          ●大阪府  会員家族より

           医療費は、大阪府内では月支払額が2500円までとなっており、それ以上は免除されています。
           しかし、昨年群馬県に帰省した際、感染症にかかり半月入院し、窓口支払額は20万円近くにもなりました。
           保健組合の高額医療給付と市役所での償還請求などは、4〜5ヶ月後の受け取りとなります。


         ●愛知県  会員家族より

          ・SMA児の介護をしながら自営業をしています。
           現在、看護師さんに訪問看護を週3回、訪問リハを週2回のペースで来ていただいていますが、その交通費月額約1万円は自己
           負担です。訪問看護の時間が1回2時間で、その間に妻が買い物や他の家事をしたいのですが、時間的に不十分で、買い物だ
           けで2時間を費やしてしまうことも度々です。

          ・訪問看護の時間内に看護師の手を借りて、SMA児の入浴をさせたいのですが、それも時間不足でできません。その為、夜11時
           頃に夫婦で入浴させているのが現状です。2歳弱にして気管切開、全身脱力の状態の子どもを入浴させるのは、私たち夫婦にとっ
           てはとにかく大変で、バギングする人と洗う人が必要なので一人では無理なため、もう一人ヘルパーか看護師の手が必要です。
           しかし、障害者自立支援法では、3歳以下での支援利用に関しては特に厳しく、3歳までは親がみな付いているものという理
           由から利用できません。
           負担はさらに増えますが、どうしても必要なので、今月から自己負担での訪問ヘルパーの利用を考えています。
           
          ・夜間15〜30分おきの痰の吸引や、人工呼吸器の管理、体位変換などで睡眠時間を削られている介護者としては、休養や心に余
           裕を持たせる意味でも、もう少し長い時間見てもらえたらという気持ちもあります。
           また、次の子どもができた時点で、流産の予防のためにも訪問看護時間の延長は必要です。

          ・次の子どもをつくりたいのですが、SMA児の介護の疲労も関係したのか、前回は妊娠4ヶ月で流産となってしまいました。
           保因者同士が結婚した場合、SMAは1/4の確率で発症するといわれています。現在では、希望すれば出生前診断を受けることが
           可能になっていますが、この診断にも約21万(東京の専門医受診が必要。交通費は除く。)の費用がかかります。
           第2子もSMAである可能性の不安もありますが、特定疾患に認定されていれば、早期より補助を受けることも可能であり、
           経済的、精神的負担も軽減できるのはないでしょうか?