むすめが肺炎で入院をしておりましたが、本日、ようやく退院できることとなりました。
制度も絡めていくつかの入院に関連するお話をしたいと思います。


1.高額療養費の現物給付化
以前に当MLにてご報告のとおり今年の4月から70歳未満の人も入院時の高額療養費が現物給付化されました。ただし若干の手続きが必要です。

まずは自分の加入している医療保険を確認してその保険者に「限度額適用認定証」を発行してもらう必要があります。
健保加入なら事業主に手続きを代行してもらうことも可能です。
国保の方は市町村へご相談いただくことになります。
もちろん発行にかかる費用負担は生じません。

有効期間は最長で1年だそうですので1年分取っておいたほうが万一のときには役に立つものと思います。(何度も使えます。)
というのは、原則として入院時に病院へ「認定証」を提出して入院中は病院にて保管していることになっているからです。
SMAで入院するケースでは手術などの計画的な入院ではなくて肺炎などで突発的に緊急入院することがほとんどと思われるためにあらかじめ「認定証」を手元に用意しておくのがいいと思いました。

高額療養費の上限負担額は所得に応じて3つの階層に分かれています。
したがって「認定証」の提出によって病院窓口では自らの所得階層の上限負担額を超える負担が不要となるわけです。
いままでは原則いったん全額を立て替えて償還払いとなっていました。

ただし過去12ヶ月で4回目以降の上限負担額はさらに低くなる多数該当というしくみもありますので、ケースによっては従来のように償還払いを併用しなくてはならないことも考えられます。


2.特定疾患
埼玉県ではSMAが特定疾患の指定を受けています。
うちは特定疾患の申請をしていないので今回は適用となっていませんが、特定疾患では食事療養費負担金(1食260円)も公費の対象ですので長期の入院の場合には、申請すると負担がだいぶ軽減されますね。
食事療養費負担金は1ヶ月で23,400円にもなります。
ちなみに特定疾患の(応能負担による)自己負担金は乳幼児医療費助成や障害者医療費助成にぷつけてそちらでカバーすることも可能です。
また重症認定をはじめに受ければそもそも自己負担金は生じません。
なお給付の対象は申請日以降となっていますのでご注意ください。
東京都と埼玉県にお住まいの方はこちらも頭に隅に入れておくといいですね。
特定疾患の申請の窓口は、東京都特別区(23区)と埼玉県では保健所、東京都多摩地区はお住まいの市町村となっています。


3.差額ベッド料
差額ベッド料は患者の希望によるオプションとされており医療保険の給付の対象とはなりません。全額自己負担となります。
しかし病院の都合(個室しかあいていない、感染症の危惧があるなど)で個室になった場合や、入院時に患者が説明を受けて書面による同意をしていない場合には病院は患者に差額ベッド料を請求できないことになっています。
すでに払ってしまっていても返還を求めることもできます。

今回、個室しか空いていないという理由で個室に入院していますがもちろんこちらから個室にしてほしいと行ったわけではないのでおそらく請求してこないと思いますが、もし請求してきた場合には上記の理由でやんわりと言ってみようかと思っています。^^;

医療も福祉も申請主義ですので知らないと損をすることも多いものですね。^^;


追伸1

公立病院は良識があるのか、今回は10日間個室に入っていましたのでけれども差額ベッド料は請求されませんでした。

関係者の話では、差額ベッド料を支払っている患者の実に8割は本来は負担する必要のない人たちだそうです。
入院患者という弱い立場を逆手に取られた形です。

埼玉県のHPに参考情報を見つけました。ご参考まで。
  http://www.pref.saitama.lg.jp/A04/BN00/hokeniryou/sagakubed.html




追伸2

入院とは縁のない人たちにはわかりにくい話かもしれませんね。

医療保険(健康保険)の階層が「一般」の方は「限度額適用認定証」を手元に用意しておくと、医療機関窓口で支払わなくてはならないお金は保険がきく部分としては一医療機関あたり最高でも月額約8万円強ですみますよというお話です。
(標準報酬月額53万円以上の「上位所得者」はこれが15万円強となります。)

「一般」の場合、保険点数で26,700点を超える場合は要チェックです。(保険点数1点=10円)
手術でもしない限りおおむね10日間くらいの入院をするとこの金額を超えるくらいと思えば目安となると思います。



       ■入院に関連するお話■


     














































































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